山路敦司 教授
INTERVIEW

山路敦司 教授

  • デジタルアート・アニメーション学専攻
  • 作曲/コンピュータ音楽/音楽情報デザイン

ゼミ生はどんな研究をしていますか?

山路研究室では音楽に関するさまざまな研究制作をしています。所属する学生たちは、個人の音楽作品などの制作をするだけでなく、プロジェクトとしてレコード会社や音楽制作業者とコラボレーションしたり、プロのアーティストのプロモーションやコンサートに携わるなど、企画制作についても経験し学びます。最終的には音楽制作か企画制作かのどちらかを選択して研究発表を行いますが、「音楽を学ぶこと」「音楽で学ぶこと」の両方を経験することで、作品をより多くの人に聴いてもらうための発想や行動ができるようになると考えています。

大学という場所は自由な空間であるべきですが、その分、実際の現場の感覚とも距離が隔たってしまいがちです。クライアントと共に制作するという緊張感や厳しい現実を、現場の経験を通じて学生たちに体験してほしいと思いますし、そのリアリティを伝えることが私の仕事だと考えています。

私はクラシックやポップスなどの制作に携わり、映画音楽やゲーム音楽の作曲もしていますが、そこではコンピュータを使って音楽制作することの他に、演奏家に伝えるためにスコア(楽譜)を書くこともします。ただ、その楽譜が素晴らしく音楽的に完成されていることと、その音楽を聴いた人が良いと感じるかどうかという問題は異なるものでもあります。良いか悪いかは受け手が感受することです。音楽の作る側や伝える側の人間は、受ける側が求めるものを考え、クライアントのニーズを満たしながら、それ以上のことをやらねばならないと考えます。それは相手のことを知ろうとする気持ちや思いやる気持ちが重要であることに通じます。

ここは音楽の研究室ですが、とくに音楽家だけを養成しているわけではないので、音楽を通じて社会で生きていくための大切なことを学生たちが身につけてくれたらと願っています。

大学院では、学生が自ら決めた研究テーマを深く掘り下げていくことが中心となるので、自分の興味の対象についてもっと深く知りたいという情熱と、新しいことに対する関心が何よりも不可欠です。すぐに答えが出なかったとしても諦めず、試行錯誤しながら自分の研究成果をまとめ上げることは、自分の将来のための大きな糧に必ずなるはずです。